【月1映画館】ラプラスの魔女ってどんな映画?
月一で映画鑑賞しています。今月は『ラプラスの魔女』です。
感想がメインですが、ネタバレ注意です!
『ラプラスの魔女』は、東野圭吾の書き下し長編小説である。2015年5月15日にKADOKAWAより単行本が刊行された。作家デビュー30周年記念作品で、東野は「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました。」とコメントしている。
2015年5月15日の発売から1か月で28万部を超えている。(Wikipediaより)
そして今年2018年5月4日に映画が公開されました。
ゴールデンウィーク明けの7日夜に観に行ったため、劇場はスカスカ。快適に観られました(笑)
小説は読まずに、予備知識もゼロ。友達に誘われるがままに劇場入りしたので、これ一体どんなジャンルの話なんだろう、という状態で観ましたが、結論、観てよかった!
いや〜、陳腐な言葉ですが、一言で言うと深い。
東野さんがこれまでの自身の小説をぶっ壊したくて書いたとコメントしてますね。ですが、私はいい意味で東野圭吾らしさ満載のストーリーだったなと思います。なんだか、『プラチナデータ』を思わせる作風でした。
主演が櫻井くんでしたが、「ん?一体誰が主演?」という印象。そのくらいどの登場人物にもスポットが当てられていました。
全員に濃いストーリーがあります。それを踏まえると、なんだか櫻井翔の演じる青江教授は一番重要度に欠ける設定だったんじゃないでしょうか。そんなことを言ったら怒られますかね。(ちなみに私は櫻井くんファンです)
ストーリーを円滑に運ぶための潤滑油的な存在だったと思います。
そんなことを言いますが、青江教授のセリフはストーリーの中ですごく重要な役割を担っていました。
後半で、広瀬すずが演じる羽原円華とビルのカフェテリア(ラウンジのような場所)で話しているとき。
円華が自ら手に入れたラプラスの魔女の力に対し、
「本当は後悔してるんじゃないのか?人類にとってその力ははやすぎたんじゃないのか?そんな力ないほうがいいんじゃないのか?」
と問いかけました。(記憶を辿っています。正確なセリフと違いがあるかもしれないことをご了承ください。)
未来をも予測できる力を手に入れる。誰もが夢見たことがあるかもしれません。
実際に、人間は技術を進歩させ、必要な力でなくても手に入れることができてしまいます。物理学の研究からラプラスの魔女を本当に世に生み出す日も、遠くないかもしれません。でも、それが一体どこまで人間を幸せにすることができるのか。
「未来がわからないから、僕たちは希望を持てる。」と、エンディングシーンで青江教授は、「もし私たちに未来が見えてるとしたら、教えて欲しい?」と問いかけた円華に対して答えました。
本当にその通りです。どうなるかわからない、自分で未来を作っていけると信じているから今を一生懸命生きることができる。希望を持って生きることができる。
どんな人間も、「あなたはここまでしかできない。未来はこうなると決まっている」と言い放たれたら、たとえそれが保証された安定だったとしても、幸せとは真逆。
次に何が起こるかわからないから楽しいのに、それに気づけずに未来を予測する能力を当たり前とする世の中になったら、一体どうやって人は生きていくんだろう?なんて考え込んでしまいました。
福士蒼汰が演じる甘粕謙人も重要人物の1人。というより主人公といっていいのではないかというくらいの迫力を持っていました。
謙人は、ラプラスの魔女の力を偶然にも手に入れた最初の人物です。彼の苦悩は計り知れないと思います。
最後の謙人のセリフは個人的に一番心に響きました。
「人間は分子だ。一見、何の存在意味もなさそうに見える一人一人の人間が、この世界の重要な構成要素となっている。」
こんなことを言っていました。考えさせられましたね。
就活や将来について考えることで、自分の存在意義を疑問に思ったり、生き方について考えさせられたりすることが多い最近でしたが、謙人のこのセリフで心鎮みます(笑)
『ラプラスの魔女』は総じて★★★★☆でした!
ひとつ星が欠けた理由としては、ホラー的な絵がたびたびあったことです。ホラー映画を観にくぞ!という心の準備があるときでない限り、ホラーな場面には心臓がやられます(笑)特に劇場がスカスカだったので、雰囲気も1.5倍に感じました。
ストーリーとしては、東野圭吾好きもがっかりさせない映画になっているし、いろいろ考えさせられる深いものでした。
人間ってなんだろう?とかどうやって生きたらいいんだろう?って悩んでる人に是非おすすめしたいです。